【学生インタビュー】学生がイベントデザインに挑戦!三重県紀北町の魅力を伝える町制20周年イベントが開催されました

2025/07/23
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6月21日から6月28日まで、デザイン工学部デザイン工学科の学生がイベントデザインに携わった三重県紀北町町制20周年記念イベント「東京に『奇跡の清流』があらわれる8日間」がDNPプラザ(東京?市ヶ谷)にて開催されました。デザイン工学部?繁里光宏教授は、一般社団法人 三重広域DXプラットフォームとの共同研究で、学生のアイデアを活用した三重県自治体の町おこしに関連するデザインの研究に取り組んでおり、学生らはその一環として本イベントに携わりました。

中心となって取り組んだのは、デザイン工学部デザイン工学科4年の尾辻こころさんと葛西雪乃さん。卒業研究として取り組む2人に加え、早川由莉さん(大学院理工学研究科2年)、岡田一華さん(デザイン工学部デザイン工学科4年)、伊藤楓さん?佐久間結希さん?中島沙弥さん(デザイン工学部デザイン工学科3年)、ならびに繁里研究室のメンバー一同もサポートとして尽力しました。
プロジェクトへの参加が決まった後、繁里教授と学生らは実際に三重県紀北町を訪問。自らの感じた現地の魅力をもとに、イベントブースの内装を担当し、ジオラマやパネル、動画などの展示物の制作に取り組みました。学生目線が大切にされた展示で、「備長炭を鳴らす」「ヒノキの匂いを嗅ぐ」など五感で現地を感じられる工夫が散りばめられていました。

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学生インタビュー

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デザイン工学部 デザイン工学科 4年 尾辻こころさん(左) 葛西雪乃さん(右)

ーー展示のコンセプトを教えてください
尾辻さん:私たちが紀北町で感じた自然の音や景色、人の温かさを追体験してもらうことをコンセプトにしました。そのため、実物の展示や、よくある「備長炭はこういうものです」という説明調ではなく、私たち目線の言葉を使うことを大切にしました。こうしたユーザーに「どういう体験をしてほしいのか」「どういう気持ちで帰ってほしいのか」を考える視点は、授業での学びを活かせたと思います。
葛西さん:地元の方がする魅力の伝え方を私たちがやるのは違うのではないか、効果が薄れてしまうのではないかという思いがありました。東京で開催するイベントというところで、紀北町のことを知らなかった私たちが展示を作る意味、私たちだからこそできることは特に意識したところです。

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パネルに散りばめられた学生目線の言葉

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印象に残った道幅も展示で再現

ーー展示を作り上げる中で、特に工夫したことやこだわった点を教えてください
葛西さん:パネルについては、ここまで大きなサイズを作成するのが初めてだったので、プロッターで試作を印刷し、遠くからの見やすさや展示会ならではの特徴を考えて、何度も文字のサイズや配置の修正を重ねました。また、展示の看板は、訪れた「魚まち」にあったマンボウのサインの再現を試み、データから自分たちで作ったものです。写真をもとにデータをつくり、大学にあるレーザーカッターで切って、刻印して、作成しました。
尾辻さん:展示している備長炭やトロ箱は全部紀北町の方に頂きました。どうしても展示に使いたく、現地で「ください!」と。帰りの新幹線は皆でこの手に持って帰りました。

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大学のレーザープリンターで作成した看板

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帰りの新幹線、手で持ち帰ったトロ箱

ーープロジェクトに参加してみて、いかがですか?
尾辻さん:こうした大きい展示会のデザインは初めてで、大学生活最後の1年でとても良い体験をさせていただきました。プロジェクト演習(※)で企業の方と関わる機会はありましたが、ここまで長い期間のものは初めてでした。「紀北町の方々の思いもデザインに盛り込まなければ」と責任も感じましたし、納期に追われる経験もして大変ではありましたが、「皆でより良いものを」と追及することができました。

(※)企業や学外のステークホルダーから課題を発掘し、問題解決、提案のプロセスを実践的に経験するデザイン工学部の特徴的な授業

ーーこの経験を通して、キャリアに関する考えに変化があれば教えてください。
葛西さん:プロダクトデザインが専攻なこともあって、文具や雑貨などのデザインに興味を持っていました。今回、初めて展示会というスケールの大きなものに携わる中で、空間デザインやグラフィックといった、これまでやりたかったけど挑戦できていなかった分野に実践的に関わることができました。面白いと思う一方、新たな選択肢ができ、迷いも生まれていますが、色々なことにチャレンジして、実践を積んで、自分の道を見つけていきたいと前向きな気持ちが湧いています。

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デザイン工学部 繁里光宏教授 コメント
今回のプロジェクトは開始からイベントまで約2ヶ月半という非常に厳しいものでしたが学生達の爆発力を再認識したプロジェクトでした。
デザインは一次体験が最も重要ということが私の研究室ポリシーなので、まずは学生6人の即席チームを作り、23日の現地視察に行きました。そこで名所訪問や関係者インタビューをさせていただいたのですが、現地の温かい方々と触れるに従い、参加した学生達の表情や態度が面白いほど楽しげに変化して行く姿を目のあたりにし、このプロジェクトの成功を確信しました。
DNPや紀北町の方々には現地視察以外にも展示会設計や展示物や写真の手配など様々なことでお世話になりました。時間的にはきついこともありましたが、今回ほど関係者全員が一つになれたプロジェクトはそうはなかったと思います。
このプロジェクトはまだ途中段階でこれから後半戦に入ります。今後もこの良い関係性を保ちながらさらなる結果を残していきたいと考えております。

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